2018年05月12日

映画レビュー 「レザーフェイスー悪魔のいけにえ」 ジュリアン・モーリー&アレクサンドル・バスティロ監督

LeatherFace
どうも「悪魔のいけにえ」と言う題名は覚えていても,主人公(?)である怪人レザーフェイスと,他のホラー・シリーズ「13日の金曜日」のジェイソンとか,「ハロウィン」のブギーマンとか,と区別がつかないヒトが結構多いらしい(同じ殺人鬼でも「チャイルド・プレイ」のチャッキーだけはちゃんとみんな区別できる。当たり前か)。

1974年公開の第1作「悪魔のいけにえ」(日本では1975年だった。原題は「The Texas Chain Saw Massacre(テキサス・チェーン・ソー大虐殺)」)は,テキサス州に里帰りした5人の男女が道で拾ったヒッチハイカーに導かれて彼の弟である殺人鬼レザーフェイスの元におびき寄せられて殺される,と,まぁ言っちゃえばそんだけの話である。

それがなんでまた製作費の400倍もの興行収入を稼ぎ出し,40数年経過してなお続編が作られるようなヒット作になったかと言えば,やはり主人公レザーフェイスの異様な恐ろしさだろ。あまりにも残虐な描写ゆえに全米で上映禁止になったことが逆宣伝になっちまったとよく言われるがそれだってモトをただせば「レザーフェイスのやること」の描写なんだから。

本作は「悪魔のいけにえ」シリーズの最新作(8作目)であり,まぁ最近流行の「前日譚」である。つまり主人公は「まだレザーフェイスになる前の彼」。これは,一族で殺人を趣味(?)としている異常な家に生まれた少年が,如何にして一族の歴史でも出色の殺人鬼になったのか,と言う映画である。

1954年。5歳の誕生日にプレゼントとしてチェーンソーを渡され,それで目の前の縛られた男を殺すよう命じられた少年。彼はその命令を拒むのだが,まもなく発生したある事件のため,親元から離され青少年専用の更生施設に送致される。この措置を不服とした一家は息子を取り返すべくあらゆる手を尽くすが成功しないまま10年の時が流れる。

1964年,ある計画を胸に施設を訪れた母親。彼女の常軌を逸した行動が引き金となり,もともと精神に問題を抱えた収容者たちの暴動が発生。混乱の中,新米看護婦一人リジー(ヴァネッサ・グラッセ)を人質とした4人の若者が施設を脱走する。アイク(ジェームズ・ブルーア),ジャクソン(サム・ストライク),バド(サム・コールマン),クラリス(ジェシカ・マドセン),彼らはどこへ向かうのか…。そして彼らのうちの誰がレザーフェイスに…?

しっかり怖いよ,ホラー好きは見逃さぬよう!

「レザーフェイスー悪魔のいけにえ」公式サイト
posted by hiro fujimoto at 13:32| Comment(0) | 映画

映画レビュー 「アンロック/陰謀のコード」 マイケル・アプテッド監督

アンロック
マイケル・アプテッド監督の,1999年の「007 ワールド・イズ・ノット・イナッフ」以来の活劇(「ナルニア国物語」は活劇ぢゃないと思う)。

主人公アリス(ノオミ・ラパス)は元CIAの尋問官。ある容疑者から情報を引き出せずテロの阻止に失敗,パリを舞台にしたその事件で多くの犠牲者を出してしまう。現在はロンドンで情報収集を任務とする囮捜査官として働いている。

そんな彼女にある日,CIAからの呼び出しが。ロンドンを舞台にしたバイオテロ計画の連絡係であるラティーフ(エイメン・ハムドゥーチ)と言う男を捕らえたが,手配した尋問官が何者かに殺害された。復帰して彼を尋問し,実行犯への連絡方法を聞き出せと言う。

ロンドン支局のサッター(マシュー・マーシュ)と名乗る男に案内された部屋でラティーフの尋問に当たるアリス。しかしその渦中アリスの携帯が鳴り,旧知である本部職員から「ロンドン支局で尋問に協力しろ」と言われる。ではいま行っているのは何?

異変を察知したアリスはサッター等の隙を突いてラティーフと共に逃亡を試みる,が,銃撃戦の中でラティーフは死亡。アリスはパリ事件当時の上司
ラッシュ(マイケル・ダグラス)の元に身を寄せるが,裏切り者はCIA内部にいるらしくそこも敵に襲われラッシュは撃たれてしまう。

一人ラッシュに教えられた隠れ家に向かったアリス。そこには元海兵隊員のジャック(オーランド・ブルーム)という男が盗みに入っていた。この男を縛り上げ,ある罠を仕掛けて捜査状況を知ったアリスは,自分がテロ計画の第一容疑者として追われていると言う事実を知る…。

錯綜した状況を矢継ぎ早に提示する導入部が多少もたもたするが,アリスが真相追及に転じてからの展開はまぁまぁ。ただこれ,もし小説で読んだら結構すごい「どんでん返し」だろうに映像にされちゃうとあんまりそうでもないのはなんでかね?


「アンロック/陰謀のコード」オフィシャル・サイト

posted by hiro fujimoto at 09:53| Comment(0) | 映画

2018年05月02日

映画レビュー 「ウィンストン・チャーチル ヒトラーから世界を救った男」 ジョー・ライト監督

チャーチル

タイトルから,いや予告編を観てもなお「ああ,あのチャーチルの生涯を描いた伝記映画か」と思った人が多かろう(いや少なくてもいいんだけど,とにかくオレはそう思った)。

でも原題は「DARKEST HOUR」。中学生程度の英語力があれば「『生涯』ぢゃねぇな」と判る。

以前,キューバ危機(1962年)を扱った「13デイズ」(ロジャー・ドナルドソン監督)という映画があったが,言ってみればこれはあれの英国版だな。

対ドイツ宥和政策で失敗したチェンバレンの後継として保守・労働,挙国一致内閣の首相に就任した1940年5月10日から,20世紀の名演説の一つとして名高い同年6月4日の下院演説までの約1月間。

あらすじ…はまぁ「史実」なのでここで改めて紹介するまでもあるまい。要するに彼が「ドイツ軍があんまり強いので降参しちゃおうと言う英国議会の空気にたった一人で抗い,ついに世論を味方にして徹底抗戦の方針を決める」ところまでの話である。

冒頭映し出された原題を見て「ありゃそうなのか?」と思ったものの,始まってしまえば主演ゲイリー・オールドマンにぶっ飛ぶ。アカデミー賞を受賞した辻一弘の特殊メークにより,本来の容姿とは似ても似つかぬ(ほんとにそう言えると思う)「チャーチルの顔」になっての演技はまさに圧巻。

ヒトラーは記録映像,ルーズベルトも声だけの出演(声はデヴィッド・ストラザーン)にして,歴史の焦点をチャーチル一人に絞り込む演出も見事。

いや,もちろん「生涯」だと思ってたオレは,「エニグマ解読」の秘密を守るために傍受していたコベントリー空襲の情報を秘匿した決断とか,この映画にもその端緒だけ描かれているが胃の痛くなるような折衝の経緯などにも期待してたんだけど,でも満足。

劇場で観ておく価値のある歴史映画ですぞ。


「ウィンストン・チャーチル ヒトラーから世界を救った男」公式サイト

posted by hiro fujimoto at 08:34| Comment(0) | 映画