2018年10月02日

映画レビュー 「スカイスクレイパー」 ローソン・マーシャル・サーバー監督

スカイスクレイパー

香港。ひときわ高くそびえる超高層ビル「ザ・パール」が全館オープンへのカウントダウンを迎えている。旧友ベン(パブロ・シュレイバー)の紹介でこのビルのセキュリティ担当となったウィル・ソーヤー(ドウェイン・ジョンソン)は元FBI。制圧部隊の隊長だった10年前,至近距離で爆弾犯人が自爆し,片足を失った彼にとって,これは最大のチャンスだ。

まだ誰も住んでいない98階の居室に妻サラ(ネーヴ・キャンベル)と娘のジョージア,息子のヘンリーを残して最上階に向かった彼はそこでこの巨大建築のオーナー,ツァオ・ロン(ロン・ジー - チン・ハン)に面会,建物全体のセキュリティシステムを司ることのできるタブレットを渡される。このタブレットは顔認証システムによりウィルしか操作できなくなっているのだ。

ツァオの元を辞し,ベンと共に食事に出かけたウィル。フェリーの船上でテロリストの一団に襲われる。腕に傷を負いカバンを奪われたが,気づかうベンにこれは無事だ,と胸ポケットに入れておいたタブレットを見せると,なんと彼はそのタブレットを奪おうとする。格闘の最中ベンの銃が暴発,致命傷を負ったベンはウィルに「逃げろ」と言い残して事切れる。

ベンの言葉通りシャ(ハンナ・クイリヴァン)率いるテロリスト・チームに襲われたウィル。スタンガンで気絶させられ,タブレットを奪われてしまう。朦朧とするウィルにカメラを向けてシステム起動に成功したシャは彼を殺そうとするが,駆けつけた警察と銃撃戦に。テロリストたちの狙いがパールであることを知ったウィルは混乱の中白バイを奪って妻子のもとへ。

同じ頃,パールには首領であるコレス(ローランド・ムーラー)指揮のテロリスト・グループが侵入,96階に発火剤を撒き火事を起こしていた。シャたちの目的は,この火災に対してビルのセキュリティ・システムが働かないようにすること,だった…。

超高層ビルを舞台にしたテロ,となればどうしても思い出すのは「ダイ・ハード」の第一作,なんだが,あれはもう傑作中の傑作なのでやっぱり比べるのは酷だよな。ドウェイン・ジョンソンは頑張ってるし,火災シーンはこれも名作「タワーリング・インフェルノ」を彷彿とさせる迫力(特撮技術が進歩してるからね)なんだが,惜しむらくはテロリストが「ダイ・ハード」のハンスほど賢くない。

とは言えそれは前述二作品と比べての話。なんだかやたらにC調(死語?)な予告編から受ける印象よりは数倍面白いので是非でかいスクリーンで観ていただきたい。


「スカイスクレイパー」公式サイト

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2018年09月30日

映画レビュー 「MEG ザ・モンスター」 ジョン・タートルトープ監督

TheMEG

原子力潜水艦の沈没事故。深海へ救助に向かったレスキュー・チームのリーダー,テイラー(ジェイソン・ステイサム),作業中に正体不明の巨大生物に体当たりされ潜水艦が圧壊し,仲間の一人を置き去りにして浮上せざるを得なくなる。帰還後テイラーは体験した通りの報告をするが周囲にそれを信じてもらえず職を失う。

5年後,上海の沖合に建造された海洋研究所マナ・ワン。そこでは斯界の泰斗ジャン博士(ウインストン・チャオ)をリーダーに深海探査は行われていた。博士は従来海底であると思われていたのはソナーを跳ね返す特殊な海水層であり,その下に地熱によって高水温をたもっている豊かな海が拡がっているという仮説を唱えており,この探査はその実証のためだった。

3人の研究者を乗せて深海に向かった探査艇は,果たして仮説通りの海水層を通過,これまで人類が到達したことのない未知の領域に突入する。しかしそこは,太古の海を支配した巨大海生生物の世界。探査艇は巨大な生物に攻撃され浮上できなくなってしまう。謎の巨大生物と聞いてテイラーの報告のことを思い出したスタッフはタイで隠遁生活をしているテイラーに連絡。遭難者の一人ローリー(ジェシカ・マクナミー)はテイラーの別れた妻だった。

マナ・ワンに到着したテイラーは先に救助に向かったジャン博士の娘スーイン(リー・ビンビン)を追って現場に。そこでは200万年前に絶滅したと考えられていた巨大なサメ,メガロドンが潜水艇に襲いかかっていた…。

3人の一人トシ(マシ・オカ)の犠牲によりローリーとウォール(オラフル・ダッリ・オラフソン)の二人の救助に成功するが,潜水艇の爆発によって上層との水温差を維持していた海水層に穴が開き,一時的だがメガロドンが海面まで上昇できる「通路」ができてしまう…。

うーん,このテの動物パニックものとしてはマトモ…というかマトモ過ぎるのが問題かなぁ。及第点ではあるがびっくりするような面白さに欠ける。せっかく中国最大の海水浴場にメガロドンを出現させたのにこれぢゃ被害少なすぎでしょ。映画なんだからもっとばんばんヒトが食われていいと思うがどうですか。


「MEG ザ・モンスター」公式サイト

posted by hiro fujimoto at 13:32| Comment(0) | 映画

2018年09月24日

映画レビュー 「バッド・ジーニアス 危険な天才たち」 ナタウット・プーンピリア監督

バッド・ジーニアス
裕福とは言えない父子家庭で育ったリン(チュティモン・ジョンジャルーンスックジン)は中等学校時代から成績優秀,奨学金を獲得して名門私立高校に入学する。そこで彼女が仲良くなったのがグレース(イッサヤー・ホースワン),家は金持ち,可愛くて性格も良い。ただ,ひとつ本人も認める欠点は「勉強が嫌い」。あるテストの最中,苦吟する彼女を見かねたリンはこっそり答えを教えてしまう。

ところがグレースにはもうひとつ,口の軽さという欠点が。グレースに誘われて参加したパーティで彼女の彼氏パット(ティーラドン・スパパンピンヨー)に,その頭の良さを使って「ビジネス」を始めよう,と持ちかけられたリン。机の端をピアノのように「弾く」サインを編み出して多くの生徒に高得点を取らせた彼女は一躍人気者に。

しかし当然ながらこの種の不正を快く思わない者もいる。リンと同様,奨学金を得て大学進学を目指している苦学生パンク(チャーノン・サンティナトーンクン)はこの内幕を学校側に密告。すべてが明るみに出るが,処分を下されたのはリン一人。彼女は受けていた奨学金を剥奪され,その上大学進学時の奨学金申請も不可能になってしまう。

裕福な家庭の子供が多いこの学校の生徒たちの最終目標は「アメリカへの留学」。その資格を取る為に世界各国で同日に行われる試験「STIC」が近づいてくる。留学費用の心配はないものの,「STIC」及第はおぼつかないパットとグレース,そこでリンに話を持ちかける。成功すればリンの留学費用はパットたちが出すという。リンはもちろんこの起死回生の作戦に賭けるのだが…。

経済発展によって急激に貧富の差が拡がりつつあるタイの現状に驚きつつ,その状況に風穴を開けるのが「カンニング」だという設定に脱帽。特に後半のサスペンスフルな盛り上がりかたは見事で,たかがカンニングなのに手に汗を握ってしまったぜ。…ただ「バッド・ジーニアス」って題名は「評価しすぎ」な気がするけど。


「バッド・ジーニアス 危険な天才たち」オフィシャルサイト

posted by hiro fujimoto at 09:33| Comment(0) | 映画