2016年05月30日

映画レビュー 「レスラー」 ダーレン・アロノフスキー監督

レスラー
ヴェネチア国際映画祭で金獅子賞を獲得し,アカデミーにも二部門でノミネートされたスマッシュヒットだが,なかなか日本公開が決まらずやきもきさせられたいわくつきの作品,いえ,プロレス・ファンにとっては,ですけど。

80年代にはマジソン・スクエア・ガーデンを満員にしたこともあるプロレスラー,"ザ・ラム"ことランディ・ロビンソン(ミッキー・ローク)。すっかり衰えた現在はニュージャージーでトレーラーハウス住まい。ウイークデーにスーパーマーケットでアルバイトをしつつ,週末に近郊で行われる試合,あるいはファンの集いに出場している。

ある日の試合のあと,控え室で心臓発作を起こし,病院に運び込まれて心臓のバイパス手術を受けたランディ。「適度な運動ならお勧めするが,レスラーとしてリングに上がるなんてとんでもない」という医者の言葉に気弱になり,馴染みのストリッパー,キャシディ(マリサ・トメイ)の助言を受けて永らくほったらかしにしてきた一人娘のステファニー(エヴァン・レイチェル・ウッド)に逢いに行く。が,ステファニーは全盛期に家族を顧みなかった父親を許さない…。

いや,これ,マジにスゴイっすよ。とにかく当年57歳のミッキー・ロークの「盛りを過ぎたプロレスラー」がハマリ役。Webサイトの解説によれば,監督のアロノフスキーがロークの主演を主張し,ニコラス・ケイジを推すスタジオ側と対立。遂には制作費の大幅カットさえも受け入れてローク出演を守り抜いた。それを聞いたロークの友人,ブルース・スプリングスティーンがノーギャラで書いた「ザ・レスラー」(「Working on a Dream」所収)が主題歌だってんだから,ほとんどナニワブシであります。

対戦シーンでロークの相手をするのは現役,あるいは引退して間もないモノホンのレスラーたち。ハンディカメラを多用してレスラー達に密着,試合前や試合中のウチアワセ(「そろそろフィニッシュ行くぞ」とか)や,隠し持ったカミソリで自分の額を切って流血するなど,80年代に「ケーフェイ」と言われてた部分まで見せるリアリティったら!

全国3千万の(昔フルタチが言ってた数字は2千万だったっけ?)プロレス・ファン…特に古手のプロレス・ファンには是非観て泣いていただきたい。

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posted by hiro fujimoto at 08:25| Comment(0) | 映画
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