2018年05月21日

映画レビュー 「イカリエ-XB1 デジタル・リマスター版」 インドゥジヒ・ポラーク監督

イカリエ-XB1
1963年。共産主義体制下のチェコ(当時はチェコスロバキア)で作られた本格SF映画。これは2016年に修復されたそのデジタル・リマスター版である。

舞台は22世紀後半,宇宙船イカリエ-XB1は太陽系にもっとも近い恒星系であるアルファ・ケンタウリを目指して生命探査の旅に出発する。帰還は15年後の予定だが,宇宙空間を高速で移動する40名の乗組員はその間2歳ほどしか年を取らない。

ある日乗組員の一人シュティフィーが妊娠していることが発覚。彼女は夫ミレクと共に乗船したいたが,妊娠を理由に妻レナを地球に残してきた副艦長マクドナルド(ラドヴァン・ルカフスキー)は動揺する。艦長アバイェフ(ズデニェク・シュチェパーネク)は彼を慰め,宇宙での出産という人類初の経験をするシュティフィーをみんなで支えようと諭す。

数ヶ月後,数学者アントニー(フランチシェク・スモリーク)の誕生パーティの最中に緊急事態のアラートが響く。船のレーダーが,すぐ近くに浮かんでいる正体不明の宇宙船を発見したのだった。アバイェフは二人の乗組員を探査シャトルで送り込むのだが…。

既視感があるエピソードが積み重ねられる展開はなんというか「『スター・トレック』の数話分を続けて見せられているような感じ」なんだが,前述のようにこちらの方が「スター・トレック」にかなり先行して作られたもの。なので我々が劇中の事件に感じる既視感は逆で,実はこっちがオリジナルなのである。うーんスゴい。

すべてのSF映画ファン(特にハード系が好きなヒトね)必見。新宿シネマカリテで5月19日土曜からやってます。

「イカリエ-XB1」公式サイト

posted by hiro fujimoto at 08:27| Comment(0) | 映画

2018年05月20日のつぶやき




posted by hiro fujimoto at 00:01| Comment(0) | 日記

2018年05月20日

映画レビュー 「サバービコン 仮面を被った街」 ジョージ・クルーニー監督

サバービコン 仮面を被った街
時は1950年代後半。オレ達が子供の頃に観た「奥様は魔女」に出てきたような新興住宅地サバービコン。ある程度裕福な白人だけが暮らしている(決してそう喧伝していたわけではない)この町にある日,アフリカ系のマイヤーズ一家が越して来る。住民委員会は紛糾するも法的にはなんら問題はない。ならば,と住民有志はマイヤーズ家の玄関口で実力行使の嫌がらせを始める。

そのマイヤーズ家と裏庭を接するロッジ家。交通事故で車椅子生活を送る妻のローズ(ジュリアン・ムーア)は嫌がる息子ニッキー(ノア・ジュープ)に同世代に見えるマイヤーズ家の子供アンディ(トニー・エスピノーザ)をキャッチボールに誘うよう促す。これがきっかけで子供二人はすっかり打ち解けるが,オトナの世界では嫌がらせが徐々にエスカレート。

そんなある夜,不穏な雰囲気にニッキーが目覚めるとそこに立っていたのは父ともう一人見知らぬ男(アレックス・ハッセル)。父のガードナー(マット・デイモン)は彼に「強盗が入った」と説明し共に階下へ。そこでは母とその姉マギー(ジュリアン・ムーアの二役)が縛られ,もう一人の強盗(グレン・フレシュラー)がクロロホルムを…。

病院でニッキーが目覚めると,クロロホルムを過度に吸い込んだローズは死亡。葬式が済むと,死んだ妹と同じ色に染めたマギーが「ニッキーの世話をする」と称して同居するようになり,彼女はやがて自分とガードナーとの関係を隠さなくなる。

数日後,容疑者を捕らえたと連絡があり警察を訪れたガードナーとマギー。廊下で待機させられたニッキーは,好奇心から二人が面通しをしている部屋に入り込み,ガラスの向こう側にいる,あの夜の強盗達を二人が「犯人ぢゃない」と証言するのを聞いて驚く…。

1950年代にペンシルベニア州レヴィットタウンという街で実際に起きたアフリカ系一家排斥事件を背景,コーエン兄弟得意の「小市民がつい手を染めた犯罪がどんどん悪い方に転がっていく」という脚本を展開した怪作。この2つの要素が水と油のように混じり合わない失敗作という見方もあるだろうが(つか,大半がそういう見方みたいなんだが),ラストシーンだけでそれは解決してるかなと思うんだよねオレ。


「サバービコン 仮面を被った街」公式サイト

posted by hiro fujimoto at 11:25| Comment(0) | 映画