2018年02月04日

映画レビュー 「スリー・ビルボード」 マーティン・マクドナー監督

スリー・ビルボード
エビングというミズーリ州の小さな町(調べたが見つからなかった。架空の町らしい。そりゃそうか)。幹線道路から外れ,「地元民かボンクラ」しか通らなくなった道沿いに1980年代から放置されていた3枚の立て看板にある日突然文字だけの「広告」が掲示される。

「レイプされて焼き殺された」
「犯人は捕まっていない」
「どういうこと,ウィロビー保安官?」

それは7ヶ月前にこの町で起きたレイプ殺人事件の捜査が進展しないことに対する問いかけ。広告の主は被害者アンジェラの母親ミルドレッド(フランシス・マクドーマンド)だった。

事件については彼女に同情している住民たちだったが,非難の矛先となった保安官ウィロビー(ウディ・ハレルソン)が評判のいい人格者であり,かつ(本人はそれが知れ渡ってることを知らないが)末期の膵臓癌で余命いくばくもないことからこの行為に憤慨。息子のロビー()は学校で嫌がらせを受ける。

ミルドレッドのもとを訪れたウィロビーは事件の証拠がDNAだけで,前歴のある者たちのデータベースではヒットしなかったこと。それに病に冒された自分にはあまり時間が残っていないことを打ち明ける。がミルドレッドは「必要なら国中の男のDNAを採取しなさいよ。それにあんたのガンのことは町中が知ってる」とにべもない。

人種差別主義者で乱暴者ながら上司のウィロビーのことは敬愛している保安官助手のディクソン(サム・ロックウェル)は,ミルドレッドに看板を貸した広告屋のレッド(ケイレブ・ランドリー・ジョーンズ)を脅迫,おまけに彼女の友人を微罪で逮捕し,保釈に応じないという嫌がらせを働く。そんな騒ぎのなか,血を吐いて倒れたウィロビーは自分の死期をさとり,家族とのおだやかな1日を過ごした後で自らの命を絶ってしまう…。

異論もあるだろうがオレの見立てではこれ「ブラック・コメディの大傑作」である。事件は凄惨だし人種差別,マイノリティ差別の表現には正直鼻白む部分もないではないが(この辺はオレがカラードだからか?),「人間が生きていることの滑稽さ」を描き切って見事である。

「スリー・ビルボード」公式サイト

posted by hiro fujimoto at 10:40| Comment(0) | 映画

2018年02月03日のつぶやき




posted by hiro fujimoto at 00:01| Comment(0) | 日記