2016年09月22日

ブックレビュー 「面白くて眠れなくなる数学」 桜井進著

面白くて眠れなくなる数学
オレも含めて世の中の数学素人の皆さんに数学の面白さを軽い読み物風のタッチで紹介しようという本。個人的にはとっても面白く読んだのだが,上に「数学素人」と敢えて聞いたコトもないコトバをでっちあげたように,数学に関してどのくらいの素養があるヒト(ないヒト?)を対象にしているのかが,あんまり一貫してるとは言えず,最初の方を面白い面白いと読んでた中学生が途中で投げ出しやしないかと心配になる。

参考のためにオレの数学素人レベルを申し上げると,「中学の数学まではまぁ履修済みと言っていいが高校で習った微分・積分などの解析系になるとかなり怪しく『α』や『β』はちゃんと書けるが『ζ(ゼータ)』や『λ(ラムダ)』になるとどうしてもひらがなの「て」あるいは「ち」や漢字の「入」みたいになってしまう」くらいである。

そそ,実はこの「β」が書けない学生がとっても多い(漢字のこざと偏になっちゃう)という話からこの本は始まるのだ。で,これら数式に現れるギリシャ文字が上手に書けない学生はどんどん数学がキライになる,と(因果が逆だろが,という話もあるが)。そこから日本では数式の読み方・発音のしかたが教師によってマチマチで,これも数学を学ぶヒト達を混乱させ,数学嫌いを増やしている一因だと続く。

この辺,オレも膝を打ちましたね。この悪しき伝統はコンピュータ教育にも及んでて,日本人はプログラムのソースコードを口頭で伝えるのが苦手である。早い話,文字のままプログラムを読めない。インターネットのおかげで「@(アットマーク)」を読めないヒトは減ったが「~(チルダ,チルド)」を「にょろ」,「^(ハット)」を「ヤマ」など,自分(とその周囲)にしか解らない読み方をするヒトが多すぎ…。


おっとハナシが私憤方面に大きくズレてしまった。軌道修正。

そんな話からクレジットカードの正当性チェックの仕組みや,おつりを簡単に(素早く)計算する便利な方法,あるいは iPodに代表されるデジタル音楽プレイヤーはどうやって音を数字に変換してるかみたいな,日常生活で数学が活躍してるという話題が続く。この辺までは中学生でも楽しく読める(と思う)。

が,円周率から無理数に話題が移り,数論やら群論やらを経て,ついにタワー数使って無限を考えようってあたりまで高いビルもひとっ飛びしちゃうあたりになると,これらの話に予備知識がないヒトは出てくる用語イチイチに「ナニコレ」的反応しかできなくなるだろと思うなぁ。

まぁもちろん,万人が数学者になる必要もないんだけど,さ。

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posted by hiro fujimoto at 15:53| Comment(0) |

2016年09月21日のつぶやき




posted by hiro fujimoto at 00:01| Comment(0) | 日記