2016年09月20日

映画レビュー 「陰謀の代償 N.Y.コンフィデンシャル」 ディート・モンティエル監督

SonOfNoOne
9・11同時多発テロの余韻さめやらぬ2002年のニューヨーク,30歳を過ぎて警官になったジョナサン・ホワイト(チャニング・テイタム)はクィーンズ警察署に配属される。クルマで2時間という通勤時間に対する妻ケリー(ケイティ・ホームズ)の不満とは別にジョナサンの胸にはある不安が…。

15年前,この地区にあるクィーンズ・プロジェクトと呼ばれる公営住宅に祖母とともに住んでいた彼は,黒人が圧倒的に多い隣人たちのなかで「ミルク」と呼ばれ苛めの対象にされていた。味方は幼馴染みの黒人の兄妹ヴィニーとヴィッキーだけ。ある日ジョナサンは,家にやってきては祖母の年金を脅し取っていく麻薬中毒者から銃を奪いそれで彼を撃ち殺してしまう。コトを目撃したヴィニーの「この辺りで誰が死のうと警察は気にしないさ」との言を容れ,死体をゴミ捨て場に放置,思惑通り警察はおざなりな捜査しか行わなかった。

が,数日後,もう一人の目撃者であるジャンキーに愛犬を殺され金を要求されたジョナサンは,弾みでこの男を突き飛ばし転落死させてしまう。さすがに放置もできず捜査を始めた警察からジョナサンのもとを訪れたのはスタンフォード(アル・パチーノ)という初老の刑事,死んだジョナサンの父親と同僚だったという彼は少年に「男はそれでも生きていくんだよ,クソみたいな問題を抱えてな」と説いて事件を隠蔽したのだった。

クィーンズ勤務が始まって数日後,引退したスタンフォードの後釜であるマサーズ警部(レイ・リオッタ)に呼び出されたジョナサンは「1986年,警察は2つの殺人事件を捜査もせずに隠蔽した」という手書きの投書を第1面に載せた地元紙クィーンズ・ガゼットを見せられる。こんな投書を載せるなと言いに新聞社を訪れるが編集長のブリッジス(ジュリエット・ピノシュ)は「警察の腐敗を暴くのよ」と,けんもほろろ。

こんな投書をできるのはヴィニーしかいない。ジョナサンは母親のボーイフレンドから性的虐待を受けて精神を病んで入院,大人になってからクィーンズ・ボロに戻ったヴィニー(トレイシー・モーガン)を訪ねて投書をやめてくれるよう頼むのだが…。

なんつか,ワケワカメのまま不安感,緊張感が持続し,最後に…カタルシスとまでは言わないまでもある程度の「説明」がなされると思っていると,そのシーンではまるで,脚本を読んでないヒトが編集しちゃったみたいに「本来あるべき伏線」が欠如していたことが明らかになるという,困った映画。ニューヨークの警官がどんなもんか,わかってるでしょ? と言いたいのかもしれないが,一応ワールドワイドに売るんだからさぁ。

まずなんで邦題に「陰謀」なんて言葉を使ったのか。単に「昔の仲間のためにそのムスコが犯した罪を見逃してやったこと」だけ。普通日本語ではそういうの「陰謀」とは言わないぞ。警察の腐敗を扱ってるってことであの傑作「L.A.コンフィデンシャル」を真似て「N.Y.コンフィデンシャル」としたんだろうけど。原題である「The Son of No One(誰でもない男の息子)」のままの方がまだツジツマは…いや,それでもやっぱり合わないぢゃないか困ったなぁ。

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posted by hiro fujimoto at 18:37| Comment(0) | 映画

2016年09月19日のつぶやき








posted by hiro fujimoto at 00:01| Comment(0) | 日記