2016年08月29日

映画レビュー 「ある過去の行方」 アスガー・ファルハディ監督

ある過去の行方
雨のオルリー空港。テヘランから到着した男アーマド(アリ・モッサファ)と出迎えに来た女マリー=アンヌ(ベレニス・ベジョ)がガラス越しに何かを言い合う。アーマドの4年ぶりの来仏はマリー=アンヌとの結婚を正式に解消するため。市内に向かうクルマの中,アーマドは偶然,後部に大量の衣類がぶら下がったそのクルマの主がマリー=アンヌではないことを知る。

かつて夫婦が暮らした家に着くと,庭ではマリー=アンヌの下の娘レア(ジャン・ジェスタン)が見知らぬ男の子と遊んでいる。彼の名前はフォアド(エリス・アギス)。アーマドの問いに「ここが家だ」と答える彼は,あのクルマの持ち主でマリー=アンヌの現在の交際相手サミール(タハール・ラヒム)の一人息子。マリー=アンが離婚を望んだのはこのためか,と理解するアーマド。

しかしマリー=アンヌは彼が頼んだホテルを予約しておらず,二階の子供部屋でフォアドと一緒に寝てくれという。事情を問いつめると彼女は,最近思春期真っ最中の長女リシュー(ポリーヌ・ビュエル)の様子がおかしい。最も打ち解けていたあなたに彼女と話をしてほしいのだ,と明かす。それは君の再婚相手を嫌ってのことではないか,とアーマドは思うのだが…。

離婚調停の当日,アーマドにはマリー=アンヌがサミールの子供を身ごもっていることを知る。昔馴染みの店にリシューを連れ出したアーマドは2人の関係を受け入れさせようとその事実を告げる。が,それを聞いたリシューは突然泣き出し,サミールには自殺未遂をして植物状態になっている妻セリーヌがおり,その原因は母マリー=アンヌとサミールの不倫だと。

マリー=アンヌとサミールは,セリーヌはもともと鬱病を患っており,自殺未遂の原因もサミールの経営するクリーニング店で顧客とひどく揉めたことだ,と言う。その場に居合わせた者に直接話を聞くといい,とサミールは言い,アーマドはリシューとともにナイマ(サブリナ・ウアザニ)という従業員に逢うのだが…。

果たしてセリーヌの自殺未遂の真相は? やがて明らかになる事実は人々を困惑させ,混乱させる。誰ひとり悪人ではないのに悲劇は起き,隠された事実に人は傷つく。派手さこそないが一度観たら折に触れてそのシーンが脳裏に蘇るだろう佳作。

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posted by hiro fujimoto at 08:41| Comment(0) | 映画

2016年08月28日のつぶやき








posted by hiro fujimoto at 00:01| Comment(0) | 日記