2016年08月31日

映画レビュー 「ファースター 怒りの銃弾」 ジョージ・ティルマン・ジュニア監督

ファースター 怒りの銃弾
銀行強盗の罪で食らった10年の服役を終え,ドライバーと呼ばれる男(ドウェイン・ジョンソン)が刑務所を出所する。迎えもない彼は刑務所から数キロの道を駆け抜け,廃車置き場に隠された1台のクルマに乗り込む。車内には数人の名前と住所が記された書類,リヴォルバーが1丁,そしてドライバーがその兄と写した幸せそうな写真…。

クルマを駆りリストの最初の1人の働くオフィスにやってきた彼は無駄なことは一切せずに男を射殺,自分の姿が防犯ビデオに残るのも意に介さず去っていく。

この事件を担当することになった刑事(ビリー・ボブ・ソーントン)はあと数日で定年の身,これを機にヤクに蝕まれた身体,そして家族との関係を修復しようとしている。か,署内でも評判の悪い彼と組まされた女性刑事(カーラ・クギーノ)は不満たらたら。そんな彼女がビデオに残ったドライバーの顔を見て,以前押収したあるスナッフ・ビデオを思い出す。

それは10年前の銀行強盗のあと,アジトに戻ったドライバーらが何者かに待ち伏せされ,殺されて金を奪われる顛末を写したもの。ドライバーも顔の見えない男に後頭部を撃たれたが,彼の頭には少年時代に大怪我をして埋められた金属板があり,これが弾丸の向きを変えたため死なずに刑務所に入ったのだった。

ということは,ドライバーが殺したのはあの時の横取り犯の一人か? 調査の結果,やはり殺された男には情報屋として警察に協力していた過去があった。

そんな警察の動きなどおかまいなしにドライバーは次の標的のもとへ。あのスナッフ・ビデオを撮影した初老の男。身障者を装って親切な若い女を自室に招き入れ,クスリで動けなくして趣味の撮影に入ろうとした矢先,男の眼前にドライバーの銃口がつきつけられる。が,首尾よく2人目を葬って廊下に出たドライバーの前に予期せぬ妨害者が…。

それは何者かからドライバーの抹殺を依頼された殺し屋(オリヴァー・ジャクソン・コーエン)。この殺し屋がまたヘンな奴で,その恋人が「LOST」のシャノンことマギー・グレイス…あ,それは関係ないけどとにかくどんどんややこしくなる展開が面白い。

設定は往年の西部劇「荒野の1ドル銀貨」のパクリだし,いろいろ難ありまくりのシナリオなんだけど,一直線に獲物を追うザ・ロックのド迫力がそんなこたぁどうでもいい気にさせてしまう。観て損はしない痛快作。

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posted by hiro fujimoto at 08:17| Comment(0) | 映画

2016年08月30日のつぶやき












posted by hiro fujimoto at 00:01| Comment(0) | 日記

2016年08月30日

ブックレビュー 「自然界の秘められたデザイン 雪の結晶はなぜ六角形なのか?」 イアン・スチュワート著

自然界の秘められたデザイン
雪の結晶が六角形なのはかなりよく知られている事実である。子供の頃,学習雑誌の口絵かなんかで写真を観てその美しさと不思議さに魅せられた憶えのあるヒトも多かろう。でもオレを含む多くのヒトは日々の暮らしのうちにあのときの驚きや感動を置き去りにし,「雪の結晶はなぜ六角形なのか?」という質問に答えられないままオトナになってしまった。

いや,別にオレ,そう言って自分を卑下してるつもりはないんだ。「水に優しい言葉をかけると綺麗な結晶ができるんだよ」みたいなことを信じるほどバカなオトナになったわけぢゃあるまいし。ただそう言えば,なんで空は青い(青く見える)のか,とか,タイムマシンは可能か,みたいに,同じくらいの時期に持ち,今ではちゃんと答えを知ってる他の疑問に比べ,こいつに対する扱いは冷たかったな(雪だけに?)と。

そこに英国の数学者にして著名なサイエンスライターでもあるイアン・スチュアート博士がそいつをテーマに書いた本がようやく訳出されましたよ,という報せ…は来ないが偶然 Web で知ったのである。ページを開くとそこにあるのは冷たいガラス面などの上でシダの葉のように成長した氷の結晶。うんうん,子供のころはこれも好きでした。今知ってる言葉で言えばこれ,フラクタルだったんだね。続いてオウムガイの殻が描く対数らせん,そして本書のメインテーマである雪の結晶…これですよこのウツクシさ!

本文は17世紀の天文学者ケプラー(そう,あのケプラーでんがな)がこの結晶のカタチについて書いた「六角形の雪片について」という本を出発点に,自然界に生じる各種のパターン,虹の配色,波紋,トラやヒョウやシマウマの模様が生じるメカニズムを解き明かし,対称性,対称性の破れ,カオス,フラクタルへと話を拡げて最後は「宇宙のかたち」に到る。

特に対称性とその破れに関する説明はアレックス・ビレンケンの「多世界宇宙の探検〜ほかの宇宙を探し求めて」に出てきた宇宙の誕生を思わせて示唆的。つまり,完全な対称性は不安定だから必ず破れる,という理解は「完全な『無』は不安定なので『有(宇宙)』が生まれた」という理解に繋がりませんか?

子供には…いや,オトナにとっても理解するには結構ホネの折れる内容ではあるが,それでも,そう,中学,高校生くらいの時にこんな本に出会っていたら人生大きく変わっていたかもな,と思う。いま,そういうことに興味を持ってるそのくらいの少年少女に強く激しくお勧めしたい本であります。きっと理科と数学が好きになるよ。

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posted by hiro fujimoto at 08:23| Comment(0) |