2016年07月05日

映画レビュー 「シェルター」 マンス・マーリンド&ビョルン・ステイン監督

シェルター
2010年公開のサイコ・スリラー。監督の2人,聞きなれない名前(オトとしても)だと思ったらスウェーデンで活躍している映像クリエータなんだそうで,2005年の「ジェネシス」(日本未公開)が評価されて今回の抜擢となったらしい。いや,でもこの映画の惹きは脚本,あの「Re:プレイ」,「アイデンティティ」のマイケル・クーニーなんだもの。それを知ったので絶対に見逃せないと思いました。

主人公のカーラ(ジュリアン・ムーア)は凶悪犯の精神鑑定を行い,法廷で証言することも多い精神分析医。3年前に夫が犯罪の犠牲になっっており,弁護側が無罪を勝ち取るために持ち出してくることの多い解離性同一性障害,いわゆる多重人格症の存在に否定的な意見を持つ。簡単に言えば「多重人格なんて犯罪者が罪を逃れるためのウソに決まってる」と思ってるわけ。

ある日彼女は,同じ精神分析医だが多重人格症について意見を異にする父親のハーディング(ジェフリー・デマン)から1人の患者を紹介される。デヴィッド・バーンバーグと名乗るこの男(ジョナサン・リス・マイヤーズ)は街頭で倒れているところを警察に保護されたとかで,過去の事故のため半身不随。

カーラの質問に対する答えも穏当でなんら異常は見いだせない。ところが,たちの悪いいたずらはやめて,と詰め寄る彼女の前で父が彼に電話をかけ「アダムに代わってくれ」と言った途端,目つきも態度も豹変した彼はアダム・セイバーと名乗り,車椅子から平然と立ち上がったのだ……。

カーラは彼のレントゲン写真をチェックするが,デヴィッドの背骨は確かに下半身不随の原因である癒着を起こしており,アダムのそれはまったく正常…同一人物のものではありえない。

この謎を解き明かすべく,交代人格と思しきデヴィッド(つまり彼のホントの名前はアダムで,デヴィッドはアダムが作り出したものだ,というのがカーラの所見)の正体を調べ始めた彼女は,デヴィッド・バーンバーグという下半身不随の人物が確かにかつて実在し,1982年に何者かに殺されたことを突き止める。しかしアランはそのときたったの6歳だった…。

けして長くはない112分という尺の中にこれでもかこれでもかと詰め込まれた伏線の数々がスピーディかつ繊細に回収されていく後半はもう息もつけないほど(見事に回収され過ぎてちと「予定調和」的に感じるヒトも多いかも知れないけど)。

夫を喪いながら神への信仰心を持ち続け,なおかつ科学者としての探求心も捨てないという重層的な人物をキッチリ演じたムーアもさすがだが,全部で…6つ…いや,7つかな? の人格を演じ分けるマイヤーズの演技は特筆もの。SFXを使って「怪物」を見せるのとは違う,なんつうか「懐かしい怖さ」であります。ホラー映画マニアは必見!

「シェルター」をAmazonで探す。

posted by hiro fujimoto at 07:31| Comment(0) | 映画

2016年07月04日のつぶやき














posted by hiro fujimoto at 00:01| Comment(0) | 日記