2016年07月28日

2016年07月27日のつぶやき










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2016年07月27日

映画レビュー 「最初の人間」 ジャンニ・アメリオ監督

最初の人間
カミュの「異邦人」と「ペスト」を読んだのは高校生のころである。「太陽がまぶしかったから」と人殺しをしちゃう「異邦人」は今でもよく憶えてるが,「ペスト」のほうは全然中身の記憶がない。筒井康隆の「コレラ」を読んでこの小説のホントの面白さを知るためにはここでさんざんコケにされている「ペスト」を読まねばと,そういう動機だったので読んだことだけは確実なのだが,肝心の「コレラ」のほうもうろ覚えだからなぁ。

ともかく,この映画がその「異邦人」「ペスト」の作者にしてノーベル賞作家,アルベール・カミュの自伝的遺作を映画化したものだと知っていささか驚いたのである。だって「最初の人間」なんて小説,今まで聞いたことなかったのだ。少なくともオレが高校のときにはなかったはずだぞ,と。それもそのはず。この小説は,カミュが1960年に交通事故で亡くなった時に書きかけていたが,遺族が出版を許諾せず,1994年まで塩漬けされていたのだ。

小説の舞台はカミュの故郷,アルジェ。1957年,カミュ本人とおぼしき作家コルムリ(ジャック・ガンブラン)は,老いた母キャサリーン(カトリーヌ・ソラ)が今も一人で暮らしている故郷を訪ねる。この当時のアルジェはフランス領。フランスからの独立を望む,主にアラブ系を中心とするアルジェリア人グループと,あくまでアルジェはフランスのものだとするフランス人との対立が激化していた。アルジェ出身の高名な作家として学生グループに招かれたコルムリは暴力を否定し,平和的共存の道があるはずだと説くのだが開場は怒号につつまれる。

保守派からの罵声を浴びて母の住む生家に戻った彼の脳裏に,第一次世界大戦で大黒柱である父を喪い,一家が貧困に喘いでいた幼少期の思い出が去来する。一家の誰も字を読めないなかで学校に通った日々。祖母(ウラ・ボーゲ)のお金をくすねて買った新聞。彼の才能を認め奨学金を受けて中学へ進む道を開いてくれたベルナール先生(ドゥニ・ポダリデス)の厚意。彼がフランス人だというだけの理由でいじめをしかけてきたアラブ人クラスメート,ハムットのこと…。

そのハムッド(アブデルカリム・ベンハウンチャ)に招かれて彼の家を訪れたコルムリは「われわれの間には友情はなかった」というハムッドに,テロに加担した疑いで証拠もなしに警察に逮捕された息子の釈放を頼まれる。有名人としてある程度は政府機関に顔が利くコルムリは奔走しなんとか再審査にこぎつけるが,許されて面会に行ったハムッドに息子は「オレは無実ぢゃないんだ」と言い残して断頭台に向かう。それを知ったコルムリはラジオを通して人々に団結を呼びかける。

その演説の内容をここに引くことは差し控える。ここまでのつたない説明で興味を持たれた方にとって,この言葉は直に聴き,直に字幕を読むべき種類のものだと思うから。村上春樹の小説ぢゃないが,オレはこの辺でいつもの犬の漫才師に戻る。…そっか。「異邦人」の「きょう,ママンが死んだ」つう書き出しはフィクションだったのか。

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2016年07月26日のつぶやき










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