2016年05月10日

映画レビュー 「エンター・ザ・ボイド」 ギャスパー・ノエ監督

EnterTheVoid
公開時のチラシには副題として「2010年 SEXとマジックマッシュルームの旅」とあったんだけど,いやはやなんとも。

ウィリアム・ギブソンの未来都市(ありゃチバだったっけ?)にしてイケメン外人天国のTOKYO,幼い頃に交通事故で死んだ両親が「いずれTOKYOに行きたいと言ってた」という理由だけで日本にやってきたオスカー(ナサニエル・ブラウン)。自らもヤクに溺れつつ,ディーラーをやって金を稼ぎ,最愛の妹リンダ(バス・デ・ラ・ウエルタ)を日本に呼び寄せて一緒に暮らし始める。が,兄のあまりのジャンキーぶりに不安を覚えた彼女は,自立のためストリップ・バーの踊り子として働き始める。

ある日,ヤクの注文を受けたオスカーはジャンキー仲間のアレックス(シリル・ロイ)と共に不良外国人の溜まり場になっているバー「ボイド」に向かう。道々アレックスは「チベット死者の書」をネタ本に「死こそ究極のトリップである」という持論をまくし立てるが,店に着くと「ボイドには行きたくない」と言って店の外で待つ。オスカーがヤクを持って店に入った直後,警察の取り締まりが入り,トイレに立てこもって「銃がある!」と叫んだ彼はあわれドアごしに撃たれて…。

と,いうわけで,こっからアレクスの言っていた「究極のトリップ」が,だいたい2時間近く続くのだが,その内実は浮遊する視点からの事後の顛末。アレックスから兄の死を告げる電話を受けるリンダ,検死される自分の死体,逃亡するアレックスなど,と,これまでの一生のフラッシュバック。両親,妹と過ごした幼い日々,両親が死んだ自動車事故の瞬間,別々の施設に預けられることになった妹との別離の場面,来日してからヤクのディーラーになるまでの経緯が断片的に…。

主人公(やその他の登場人物)がヤりまくる,コカイン,LSD,DMTといったところをヤった経験のないオレには,その幻覚の映像。なんでもあの「アバター」のSFXチームが想像した「マジックマッシュルーム3D」というもんなんだそうで,この名前が副題に使われているらしいんだが,にリアリティがあるもんかどうか,判断がつかないけれども(そもそも「幻覚映像のリアリティ」って言葉自体がヘンである),賛否両論真っ二つに分かれるアシッドフィルムであろうことは間違いない。

え? で,おまえは賛否のどっち側だって? オレは基本無茶苦茶な映画が大好きなので賛成側なんだけど…っでも東京在住のニッポン人としてはちょっとだけ,おいおいTOKYOってこんなトコかよ,と思わんでもない。あ,いや,オレの知らない間にTOKYOの一角は充分こんなになっちゃってるのかも知れないけど。

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posted by hiro fujimoto at 09:15| Comment(0) | 映画

2016年05月09日のつぶやき








posted by hiro fujimoto at 00:01| Comment(0) | 日記