2017年12月18日

2017年12月17日のつぶやき






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2017年12月17日

映画レビュー 「オリエント急行殺人事件」 ケネス・ブラナー監督

オリエント急行殺人事件
1974年のシドニー・ルメット作品以来実に43年ぶりの映画化(TVドラマとかでは何度かあった。日本でも一昨年三谷幸喜脚本の「ちょっとトホホ」なのが)。

エルサレム(話題のエルサレムである。映画には関係ないが,なんでトランプはああいうことをするのかねぇ?)で三大宗教がらみの難事件(?)を解決した名探偵エルキュール・ポアロ(ケネス・ブラナー),イスタンブールで休暇を取る予定だったが,急遽ロンドンから呼び出しがかかり,旧知の鉄道会社重役ブーク(トム・ベイトマン)のツテでオリエント急行に席を取った。

一等に乗り合わせた多種多様な人々のなか,アメリカ人の富豪・ラチェット(ジョニー・デップ)という男がポアロの名声を聞きつけ,「自分は何者かに命を狙われている。護衛を頼めないか」と言ってくるが,この男の傲慢さに嫌悪を覚えたポアロはにべもなく断る。そして列車がブロド駅の手前で積雪のため立ち往生するなか,ラチェットは胸を刃物で滅多突きされた死体となって発見された。

ブークの依頼もあって捜査に乗り出したポアロだが,乗客たちの証言によれば彼ら全員にアリバイがある。が,スジが通っているようで矛盾もあり,また誰もがなにかを隠している気配も…。やがてポアロの「小さな灰色の脳細胞」は意外な,かつ論理的にそれしかありえない真相に辿り着くのだが。

原作,そしてルメット版でポアロの助手的役割を果たした二等乗客の医者を割愛,この役を原作のアーバスノット大佐を退役させてに兼任させた意図はよくわからないが,アーバスノットをアフリカ系の役者レスリー・オドム・Jrにしたことは乗客相互の緊張(ウィレム・デフォー演じたハードマンの言動など)を現代の観客にわかりやすくしていると思う。

ケネス・ブラナーのポアロは容姿かからしてオレの頭のなかにあるポアロ像からかなりかけ離れているのでどんなもんかと思ってたのだが,終盤になると「まぁこういうポアロもありか」という気になってくる。ちょっとマジメすぎる感じもあるんだが,もともとシェークスピア役者だからねぇ。

上記以外の出演者は公爵夫人にジュディ・デンチ(似合ってる),そのメイド,シュミットがオリヴィア・コールマン。ルメット版でイングリッド・バーグマンが演じた宣教師はペネロペ・クルスで彼女の容姿から名前もエストラバトスとスペイン系になった(元はたしかスウェーデン人)。被害者ラチェットの執事がデレク・ジャコビ,秘書がジョシュ・ギャレット。

家庭教師デブナムがデイジー・リドリー,外交官アンドレニ伯爵がセルゲイ・ポルーニン,その夫人がルーシー・ボイントン,自動車のセールスマン,マルケスにマヌエル・ガルシア=ルルフォ(この人も名前が変わってる。同じイタリア系に見えるので理由は不明)。そしてルメット版でローレン・バコールが演じたハバード夫人がミシェル・ファイファー。

全体の印象としては「古い酒を新しい皮袋に入れました」という感じ。日本映画でよくやる「原作と違う結末!」みたいな愚を犯さない賢明さと,74年当時は考えもつかなかったろうCGやドローンを駆使した(全部ドローンなのかも知れぬがオレにはよくわからなかった)車外の光景は買える。

あ,あともうひとつ,ポアロのファーストネーム「エルキュール」ってスペルが「Hercule」でラテン語のヘラクレス(Hercules)と一字違うだけなんだな。アメリカ人たちが彼を「ヘラクレス・ポアロさん」と間違えて呼ぶのは面白かった。

「オリエント急行殺人事件」オフィシャルサイト

posted by hiro fujimoto at 09:43| Comment(0) | 映画